海外赴任、帯同でインターナショナルスクール通学、憧れの帰国子女のつもりが不登校に?海外から帰国した帰国子女に意外と多い不登校についてまとめて掲載しています。
海外から帰国後、学校になじめず不登校に
駐在の場合、帰国時期は選べない事も多くあるかと思います。インターナショナルスクールでの生活を楽しんでいた中突然の帰任。心残りの多い帰国となりましたが仕方ないので帰国。帰国後、子供は公立の小学校へ通うこととなりましたが不登校に。憧れの帰国子女、と思っていた子供がまさか不登校児になるとは思いもしないかもしませんが、実は帰国子女が不登校になったという場合は珍しくありません。いくつかの良く見られる理由があります。
帰国子女だといじられる
「帰国子女なら英語が出来るでしょ?英語話してみて?」
等は序の口のいじられ方で「外国人」と言われたり、少し英語っぽい発音になってしまったカタカナの英単語をいじられたり、いじられるので教室で話すの面倒になったり、のびのびと生活しづらくなってしまう場合があります。英語の授業では普通に受けているだけなのに、発音が良すぎると冷やかされたり、逆に英語が出来ないと馬鹿にされることもあるかもしれません。海外滞在時に頑張って勉強したから英語ができるのに「帰国子女はずるい」なんていわれることもあるかもしれません。今まで通り発言したら「空気が読めない」「気が強い」「帰国子女はむかつく」など言われてしまい「帰国子女」というレッテルでいじられ、生活しづらくなり不登校に結びやすくなります。
日本での生活に違和感を感じる
また、日本の学校生活に違和感を感じる子供も多く居ます。海外の学校やインターナショナルスクールの雰囲気は総じて日本の学校より自由な場合が多いです。校則により決まりが多かったり、満員電車での通学、どんな場合も前へ習えと言わんばかりの空気の生徒たちの中で、主張することが正義と言われて育った帰国子女はういてしまいがちです。これまでと同じように生活しているだけなのに、逆カルチャーショック状態。周りが全然違う、もともと小さい頃は日本にいて海外に行って戻ってきたという場合はある程度のその空気が理解できるかもしれませんが、幼少期ずっと海外で、小学校高学年、中学校で帰国した場合の違和感は特に大きくなります。自分の「普通」が日本では「普通」でははくなります。日本の学校生活に馴染めないと感じる帰国子女は不登校にまでならなくても、とても多いです。
勉強についていけない
駐在中に日本人学校に通い、しっかりと日本のカリキュラムで勉強を進めている場合は帰国後も日本の学校の勉強についていきやすいです。学校に通わなくても家庭教師や塾などで日本語の勉強も大丈夫かもしれません。日本の通信教育を利用して日本の学習を継続する人も居ます。それでも、帰国子女の場合「漢字」や日本の事に関しての知識が薄くなっている場合もあります。また、日本語補習校で週に1回日本語を補習している場合、そして一番大変なのが日本語の勉強を継続していない場合です。日本の学校、特に小学校、中学校は積み上げて勉強をしているところがあり、小学校2年生の知識がないまま、3年生、4年生の勉強についていくのはとても難しいです。
日本人学校も日本語補習校へも通学もしていない、家庭教師や塾を利用せず日本のカリキュラムに沿った勉強を全く継続していないという場合は、当然ついていけないでしょう。日本人だから日本語は大丈夫、と言いう考えが一番危険で、小学校の日本語を身に着けている時期に勉強を止めると日本語をすぐ忘れてしまいます。私の場合、小学校2年生時点で数ヶ月日本語を勉強できない時に、漢字がアルファベットや象形文字のようになってしまった……ということがありました。
子供はすぐ覚えますが、反面すぐ忘れてしまいます。日本の義務教育カリキュラムでは漢字は徐々に難しくなりますし、算数も基礎を身に着けた上で応用と言うような流れが多く見られます。帰国子女の場合、勉強についていけなくてつらいという理由も見られます。
など、近くに日本語を学習する施設がなくても海外から自宅で学習できるサービスが増えています。何らかの形で、日本語の学習継続がおすすめです。
帰国子女で不登校になったらどうする?解決法は
無理に学校に通わない
まずは、無理をして学校に行くことを止めるのは大切な事です。子供の時の学校は生活時間のすべてと言ってもいい位です。「行きたくない」場所へ行くことで、心の健康を害してしまうこと子供も居ます。まずは無理に通わないという事は一つの解決方法です。
勉強は継続する
不登校となった場合も、必ずしておきたいのが勉強の継続です。今は子供とあわない学校だったとしても、中学受験して、高校受験して、大学受験してなど新しい学校に入り環境が変わると通いだせるようになる生徒もいます。帰国子女がそもそも多かったり、理解がある学校もありますので、その様な環境を選ぶことも良いでしょう。ただ、その際には年相応の日本語力が必要となります。不登校で一番つらいのが、勉強を止めてしまい行きたい学校にも行けなくなることです。
対面で誰かに教わらなくても自分のペースで学習を継続できます。月額利用料が高くないので、子供に合うかどうか試してみるのが良いかともいます。
など、不登校に理解がある環境で勉強を継続する事がおすすめです。
専門機関へ相談も
不登校の際、親は焦ってしまい1人で悩むと先が見えず辛くなってしまうかもしれません。ただ、不登校は珍しい事ではありません。学校へ行く、行かないにしろ家と学校以外に子供の「第三の場所」を用意して揚げる事は大切な事です。特に年齢が上がると親との会話より第三者との会話の方が素直に話せる場合も多くあります。不登校解決支援サービスなど、専門機関に相談してみることで見えてくる事もあるでしょう。
帰国子女で不登校になるという子供は珍しくありません。多感な年齢の時期に日本国内でも転校というだけでも辛い中、生活が全く異なる国を移動しますので、子供の負担も多くなります。帰国子女に憧れを持つ人も居るようですが、帰国子女の心の中は複雑になりやすいです。
子供が感じる様々な違和感を否定せず、日本での勉学をサポートすることが大切です。今は不登校であっても、それで将来が終わりだという訳ではありません。辛い時期にはなりますが、子供を否定せず、焦らず子供が精神的に自立できるようサポートしてあげたいものですね。
日本で育った親世代には帰国時の違和感が分かりづらいかもしれません。この辺の子供が感じる違和感が分からないという場合サードカルチャーキッズという本が、帰国子女の子供心を理解するのにおすすめの本です。